口から泡を出し白目をむく男に、興味を無くしたアベルがそっぽを向いた。 「“この程度”で自我を手放すなんて、術者失格だよ」 “この程度(目を逸らさず引き込んだ)”とは、全てを見透かすオーディンは塞がった瞳に触れた。 立場上穢れた魂には数え切れないほどあってきたが、彼ほどの者はいなかった。