それと同時にアベルの周りを囲っていた一人の兵士の耳が飛び、一人の眼球が落ち、一人の皮膚が爛れ、一人の爪が剥れ、目が潰れ、一人の足が付け根から抜け、一人の腕が飛び、一人の毛が抜け、舌が砂に埋もれた。 あちらこちらの悲鳴に満足か、“片目のない老人”は頷いていた。 『ワシを呼び出しておいて、割に合わないと言えるのはお主だけだ』 忌わしいと言いた気なオーディンに、アベルは笑う。