それでも僕は、お前が嫌いだ


 「龍雨殿、戦いには犠牲がつきものですよ」

 龍雨の心の闇を見透かしてか、シラヌイは笑っていた。

 主人を守れない、ならばせめてスピリタスだけでも守りたいと。

 救いたいだなんて傲慢、戦場において必要ない。

 右腕を押さえ、スピリタスがシラヌイを睨む。

 顔中に返り血を浴びたスピリタスの眼光は鋭く、殺したいと願望をシラヌイに向けていた。

 ここに付け入ろうと戦士達が一斉にスピリタスに向かってくる。