出そうになっていたくしゃみも引っ込んでしまった。
「はい、アーンして」
ペンライトをこっちに向けてきて、反射的に口を開けてしまう。
「風邪だね!急性喉頭蓋炎!」
「…でしょうね」
飯塚先生は楽しそうだ。
いつも楽しそうに仕事してるんだけど、こういう時は更に楽しそう。
研修医をいじめてる時とか?
「解熱剤出そうか?好きなのある?」
「じゃあロキソニン…」
「座薬でもいいよー。道重空くんの体重だと…カロナール座薬1回3個とか、どう?クセになるかもよー?」
「遠慮しときます…」
先生の冗談、笑えないんですけど。
残念そうに処方オーダーを入力している飯塚先生は、これでも案外良い先生なのだ。
「じゃあ今内服したら1時間後には熱が下がるから、それまでは休んでなさい」
「すみません…」
小児病棟の看護師が子供用の枕を2つ貸してくれる。
こういう時って人の優しさが身にしみるんだよなぁ。
トボトボと当直室に向かっていると、ドアの前ですれ違う男の子と母親。
新しい入院の子か?
歳は…小学校入学くらい?それか幼稚園か?
ぼーっとする頭で考えながら、フラフラと小児病棟を出た。
自分が担当医になることを知ったのは、その1時間後だった。
「はい、アーンして」
ペンライトをこっちに向けてきて、反射的に口を開けてしまう。
「風邪だね!急性喉頭蓋炎!」
「…でしょうね」
飯塚先生は楽しそうだ。
いつも楽しそうに仕事してるんだけど、こういう時は更に楽しそう。
研修医をいじめてる時とか?
「解熱剤出そうか?好きなのある?」
「じゃあロキソニン…」
「座薬でもいいよー。道重空くんの体重だと…カロナール座薬1回3個とか、どう?クセになるかもよー?」
「遠慮しときます…」
先生の冗談、笑えないんですけど。
残念そうに処方オーダーを入力している飯塚先生は、これでも案外良い先生なのだ。
「じゃあ今内服したら1時間後には熱が下がるから、それまでは休んでなさい」
「すみません…」
小児病棟の看護師が子供用の枕を2つ貸してくれる。
こういう時って人の優しさが身にしみるんだよなぁ。
トボトボと当直室に向かっていると、ドアの前ですれ違う男の子と母親。
新しい入院の子か?
歳は…小学校入学くらい?それか幼稚園か?
ぼーっとする頭で考えながら、フラフラと小児病棟を出た。
自分が担当医になることを知ったのは、その1時間後だった。