―三日後―

約束の日はやってきた。

12時少し前に到着した。百合は既に家の外で待っていてキョロキョロと辺りを見回している。

プップーとクラクションを鳴らすと嬉しそうに走ってきた。
『おはよっ。今日は天気がいいね。』
と言いながら車に乗り込んだ。

『そうだね。雨は好きじゃないからよかったよ』

……僕は雨が嫌いだ。
早紀が逝ったあの日も降っていて余計に寂しさを誘われたから…

『それで、今日は何処に行くか決めてるの?』

『う〜ん。
緊張して眠れなくて、考えてなかったやぁ。あはは、どうしよう?修ちゃんは何かないの?』
僕も何にも考えていなかった。

『あぁ…特に何もないかな。百合ちゃんのしたい事でいいよ』

『……修ちゃん。
変わってないねぇ。
自分の意見言わない所。
私に合わせてくれるのは嬉しいけど、たまに意見言われる事も相手は嬉しいんだよ?
全く意見言わないと、逆に私の事どうでもいいのかな?とか面倒臭いのかな?とか考えて不安になるんだから!』

『……はい。すみません』33歳が16歳に怒られている…
何て情けない光景なんだろう…


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