~蝶鈴I~

「お嬢様」


亮が来たってことは警察が来たのか。


意外と早かったな。


今日のことをお父さんが知らせていたんだろうか。


「優歌、行こう」


「優歌っ…すまないっ。…幸せになれ」


「うんっ、うん!おとうっ、さん…っ」


泣きじゃくる優歌の方を抱き、ゆっくりと亮の待つ車へと向かう。


車に向かう途中も、ずっと泣いていて。


慰めることは簡単だ。


だけど今はただ、泣いて吐き出して、スッキリとさせてあげたい。


「お嬢様、寮でよろしいですか?それとも…」


「ごめん、1回組に向かって」


「はい、了解しました」


ゆっくりと動き出した車はいつも以上にゆっくりで、亮の優しさがとても伝わった。