それから、入学式が終わり、私たちは1年3組の教室へ急いだ。
「やった! 光莉とあたし席ちょー近いじゃん!」
「私もちょっと安心…。由乃ちゃんと近くで」
私は、障害者用の大きめのイスと机。
なんだか、ちょっぴり特別になったみたいで嬉しかった。
全員がそろうと、ホームルームが始まる。
「俺は、1年3組担任の関口和豊(セキグチカズトヨ)だ! はーい、今『昭和くさっ』って思った人ー、後で職員室へ来ーい!」
関口先生はとても面白そうな先生だ。
「じゃーテキトーに自己紹介な。実谷からでいいか?」
席が一番前の私は当てられた。
「はい」
席を立つ。

