失った光、見えた心



「あーあ、もう光莉の家着いちゃった。じゃ、またねっ」





私が光を失ってから由乃ちゃんに家まで送ってもらうのが日課。



悪いなって思うんだけど、由乃ちゃんが「いーのいーの。気にしないで」っていうから。






「今日もありがと。また明日ね」


「うん、ばいばーい」






由乃ちゃんの姿が見えなくなって、ドアを開ける。


中には誰もいない。でも…





「ただいま、ママ、パパ、太陽」




リビングの仏壇に向かって挨拶する。






「もうすぐ9年経つのか…早いなぁ…」


4月24日。その日はとっても特別な日。