「わぁ・・・」
女王様の部屋のクローゼットに入った私の第一声は、無意識に溢れてしまった感心の声だった。
一般人である私の家のクローゼットとは比べ物にならないくらい大きなそれは、多分私の50倍はあるだろう。
大げさではなく、真面目に。
「さぁ、まずはどれにしましょうか」
目に見えるほどわくわくした表情の女王様は次々と服を手に取って私に渡す。
「まだまだあるけど、一応これでどうかしら?」
と、一番始めに渡されたのは、ピンクの甘ロリドレスだった。
てゆうか、え?女王様こんな服も持ってるの?
疑問に思いながらもドレスを着る。
「うーん・・・似合ってるけど、アリスはピンクって感じじゃないのよねぇ」
そうですか、と相槌をうって次の服に着替える。
今度のは清潔な白いワンピースで、シンプルなイメージだった。
「これはちょっと地味ね。次よ」
はい、と渡されたのは真っ赤なロングドレスで、何気に少し胸元が開いていた。
着てみると、なんて言うか、胸元がすーすーする感じで微妙だ。
「うふふ。やっぱり赤って素敵よね。でもこれもアリスの色じゃないわ」
うっとりとした様に見つめられて、どこに視線を寄越せばいいのか分からず、私はただ下を向いていた。
こうしてかれこれ3時間はクローゼットで着替えて、やっと最後だと渡されたのは、水色のエプロンドレスだった。
フリルは多めで、後ろに大きなリボンがついた、可愛いデザイン。
「これだわ!この色がアリスの色よ!あぁよかった、こんなに似合う服が見つかって。うふふ。とっても可愛いわよ」
純粋な笑顔の女王様に可愛いと言われて、ぽ、と頬が赤くなるのが分かる。
『あ、ありがとうございます・・・』
「いいのよ。あ、アリスが前着ていた服は処分してもいいかしら?」
『構いません』
別に制服に愛着があるわけでもないし。
”あっち”にだって、戻らないし。
そんなことを考えていたら廊下からドタバタと足音が聞こえて、その後にノックが聞こえた。
「女王様ー!アリスー!夕食の準備ができましたよぅ」
「はあい。今行くわ」


