「アリス!もう少し早く走って!」


『むっ無理、だってっばぁ〜!』


あの後凄いスピードで手を引かれて、今は引っ張られる形でぐんぐん森の中を進んでいく。


道がないからあちこちに生えている草や蔦に足を取られてもつれそうなったりするけど、白兎はそんな私にお構いなしに走る。


時折時計を確認して、その度に早さを上げていった。




気がつくといつの間にか森を出ていて、レンガで敷き詰められた道を走っていた。


道の先には、大きなお城がある。


まさか、あそこに行くつもりなの?


お城はハートの形をした門に、スペードとクローバーの木、ダイヤの描かれた両開きのドアがありトランプをモチーフにしたようなデザインだった。


遠目からでもここまでよく見える。


それほど大きなお城なのだ。