莉緒はまだ、震えている。 男は翔がしめてくれた。 「莉緒!大丈夫か?」 ぎゅっ いつもは自分から抱きつくことのない莉緒が莉緒から抱きついてきた。 「…うぅ……っひく…ぅ」 莉緒が安心したのか、声を出して泣きはじめた。 翔は気を利かせて、唖然と立ち尽くしていた青木を連れて別荘に帰っていった。 翔に感謝しないとな…。 莉緒をよく見ると、綺麗に整えてあった髪は崩れ、服はビリビリに破いてあった。 怖かったよな…。 俺は莉緒が泣き止むまでずっと頭を撫で続けた。 「莉緒。大丈夫か?」