私の恋人は布団です。


 ゆっくりとベッドに近づき,掛け布団を叩いてみる。

「ねぇ」

 久しぶりの感触。

 ぽふぽふと手に馴染む懐かしい感触だ。


(応答が無い……!私がお風呂で寝るなんて考えられないけど……。でも,やっぱり,掛け布団が人間になるなんて夢よね……)


 程よい重さの布団を捲り,中に潜る。


(……はぁあ。極楽……。暖かい……)


 延は寝返りを何度か打って,シーツや布団に肌を滑らせた。


(幸せ……もう明日はずっと寝ていたい……)


 目頭がじいんと熱くなり,それから急に瞼が重くなってくる。


(……離れたくないなぁ……)


 布団に頬を摺り寄せて,延は目を閉じた。