「あっ」   

 私が思わず声を上げると、篠さんは驚いてもう一度こちらを見た。

「どうした、なぎさん」

「篠さん、藤田さんには無理だよ。藤田さんが2時間目に受け持った教習生……その時間《延長》したもん!」

「どういうことだ?」

「……延長する場合は、その時間の教習の後、教習生と一緒に配車窓口に行って、スケジュールを組み直すんです。私、藤田さんと教習生が2時間目の後に配車窓口にいたのを見ました」

 言い終えると同時に、私は思った。


 あれ。

 ということは、どういうことなんだっけ。

 今《2時間目の指導員》も、消えた。

 ということは……。

 ふと、藤田さんの言っていた言葉を思い出し、それが唇から漏れる。


「……ブレーキランプ……」