中間テストは何とか赤点を免れたけど、今回は…どうなるか分からない。


追試にならないようにしなくちゃ…。


そんなことを頭の中で巡らせていた時だった。



「それなら、数学…一緒に勉強しないか?」


「えっ!?」


「俺、数学はわりと好きなんだ…。だから、少しは椎名の役に立てるかもしれない…。」


思ってもみなかった言葉に、私は目を見開く。


すぐにアタフタしながら、首を左右に振った。


「そ、そんなっ…。日向君に勉強…付き合ってもらうなんて悪いよ…。」


「全然、悪くなんかないって。もうすぐ期末試験もあるし、苦手なものは早めに対処しておいた方がいいだろ?」


「で、でも……私と勉強なんかしたら、日向君にたくさん迷惑かけちゃう…。」


そう言ったところで、日向君はニコッと笑みを見せた。


「そんなことないよ…。迷惑なんかじゃない。俺、椎名の力になりたいから…。」