頬がカアッと熱くなっていく。 俯き加減で、生徒手帳を受け取った時だった。 「椎名 星愛。」 「えっ…」 突然、フルネームで呼ばれ、パッと顔を上げる。 すると、日向君はニコッと優しく笑った。 「可愛い名前だよな。」 ドキンッ… 思わぬ言葉に、心臓が勢いよく跳ね上がった。 い、今…“可愛い名前”って言われちゃった…。 日向君に言われちゃった…。 どうしよう…。 すごく嬉しい…。 頬に集まった熱が体中に広がる。 喜びに浸っていると、日向君が不意に私の顔を覗きこんできた。