日向君を見送った後、家の中に入った私。


まだ色々と聞きたそうなオーラを醸し出しているお母さんに取り合うことなく、自分の部屋に直行する。


浴衣から普段着に着替えた私は、ゴロンッとベッドに寝転がった。


“好き”って、言えなかった…。


日向君に伝える、大きなチャンスだったのに…。


私は、キュッと唇を噛みしめた。


告白どころか、日向君のこと…“同じクラスの男の子”って…


“それだけだから”って言っちゃった…。


お母さんに“デート”とか“付き合ってる”って言われて、恥ずかしさと緊張が一気に高まったとはいえ…


どうして、あんな風に素っ気ないこと言っちゃったんだろう…。


私のバカ…。


ため息を零しながら、枕に顔を埋めた。