「前言撤回さしてください。千彩は必ず俺が幸せにします。家族作って、怖い事なんか忘れるくらい賑やかな家庭にします。千彩に幸せやって言うてもらえるように、精一杯愛します。俺の生涯をかけて、精一杯」
だからお願いします。そう言い切った晴人は、小さく肩を震わせていた。
そんな晴人を見下ろしながら、吉村は思う。俺は世界一幸せな父親だ、と。
「ハルさん、頭上げてください」
「いや…」
「ええから」
無理やり上を向かされ見上げた吉村の表情は、とても穏やかで、優しくて。だから好きなんだ。と、改めて思う。
「こちらこそ、不束な娘ですがどうかよろしゅうたのんます」
「吉村さん…」
「幸せにしてやってください。俺、あいつの笑うとる顔が一番好きなんですわ。ハルさんの傍やったら、もう怖い思いせんでええ。そうやって教えたってください」
「はい」
「トモさんも。よろしゅうたのんます」
不意に名を呼ばれ、慌てる智人。コクリと頷き、じっと晴人を見つめた。
「…何や」
「いや…」
「言わんかい」
「まぁ…何や、そのー…」
スッと視線を逸らし、くしゃくしゃと頭を掻きながら立ち上がる智人。照れ臭そうに顔を背け、ボソリと言った。
「やっぱカッコええな、兄ちゃんは」
それを聞いて笑顔になったのは、親友二人だ。お互いに親友の肩を抱き、何も言わずただただ笑っていた。
これにて一件落着。そうなってくれれば良かったのだけれど。
だからお願いします。そう言い切った晴人は、小さく肩を震わせていた。
そんな晴人を見下ろしながら、吉村は思う。俺は世界一幸せな父親だ、と。
「ハルさん、頭上げてください」
「いや…」
「ええから」
無理やり上を向かされ見上げた吉村の表情は、とても穏やかで、優しくて。だから好きなんだ。と、改めて思う。
「こちらこそ、不束な娘ですがどうかよろしゅうたのんます」
「吉村さん…」
「幸せにしてやってください。俺、あいつの笑うとる顔が一番好きなんですわ。ハルさんの傍やったら、もう怖い思いせんでええ。そうやって教えたってください」
「はい」
「トモさんも。よろしゅうたのんます」
不意に名を呼ばれ、慌てる智人。コクリと頷き、じっと晴人を見つめた。
「…何や」
「いや…」
「言わんかい」
「まぁ…何や、そのー…」
スッと視線を逸らし、くしゃくしゃと頭を掻きながら立ち上がる智人。照れ臭そうに顔を背け、ボソリと言った。
「やっぱカッコええな、兄ちゃんは」
それを聞いて笑顔になったのは、親友二人だ。お互いに親友の肩を抱き、何も言わずただただ笑っていた。
これにて一件落着。そうなってくれれば良かったのだけれど。

