「智にも一緒に行ってもらうか?」
「…うん」
「あかん。甘やかすな言うたやろ」
「せやかて…」
「こいつは薬が減ったら家に帰らなあかんから嫌なだけや。甘えとんねん」
図星をつかれ、千彩はぶぅっと膨れて俯く。いじいじと床をなぞるつま先を軽く踏み、智人はコツンと額をぶつけて千彩を叱った。
「約束したやろ。今出来ることを頑張るって」
「…うん」
「お前は元気にならなあかんのちゃうんか」
「…うん」
「ほんなら行って薬減らしてもろてこい」
「…はぁい」
しゅんとしょげてしまった千彩を腕に抱き、晴人は何とも言えない複雑な思いを抱いた。
家族が受け入れてくれるのならば、千彩をここで暮させてもかまわない。けれど、それでは吉村との約束を破ることになってしまう。
寂しい思いをさせている分なるべく千彩の願いを叶えてやりたいと思っている晴人は、いつでも千彩に甘かった。
「なぁ…」
「あかんぞ。こいつは来週家に帰るんや」
「でも、帰ったらまた一人になってまうんちゃうんか?」
「幼稚園児やないんやから、一人でも大丈夫や。出来るな?千彩」
「…うん」
晴人に背を預けたまま再びいじいじとつま先で床をなぞり始めた千彩は、俯いたまま智人と視線を合わせようとはしない。晴人と違って「教育」だの「躾け」だのを考えている智人は、そんな千彩の頬を少し強めに抓んでギュッと捩じった。
「いひゃ…っ」
「おいっ!何すんねん!」
「ちゃんと目ぇ見て返事せんか」
「…ごめんなさい」
「出来るんか?」
「出来る」
「よし。顔は?」
「洗った」
「ほな着替えてこい」
「はぁい」
毎日毎日同じことを…とボヤく智人は、完全に父親状態で。腕の中から千彩が抜け出して手持無沙汰になってしまった晴人は、そんな智人の頬をつい数十秒前に智人が千彩にしたように抓んで捩じった。
「…うん」
「あかん。甘やかすな言うたやろ」
「せやかて…」
「こいつは薬が減ったら家に帰らなあかんから嫌なだけや。甘えとんねん」
図星をつかれ、千彩はぶぅっと膨れて俯く。いじいじと床をなぞるつま先を軽く踏み、智人はコツンと額をぶつけて千彩を叱った。
「約束したやろ。今出来ることを頑張るって」
「…うん」
「お前は元気にならなあかんのちゃうんか」
「…うん」
「ほんなら行って薬減らしてもろてこい」
「…はぁい」
しゅんとしょげてしまった千彩を腕に抱き、晴人は何とも言えない複雑な思いを抱いた。
家族が受け入れてくれるのならば、千彩をここで暮させてもかまわない。けれど、それでは吉村との約束を破ることになってしまう。
寂しい思いをさせている分なるべく千彩の願いを叶えてやりたいと思っている晴人は、いつでも千彩に甘かった。
「なぁ…」
「あかんぞ。こいつは来週家に帰るんや」
「でも、帰ったらまた一人になってまうんちゃうんか?」
「幼稚園児やないんやから、一人でも大丈夫や。出来るな?千彩」
「…うん」
晴人に背を預けたまま再びいじいじとつま先で床をなぞり始めた千彩は、俯いたまま智人と視線を合わせようとはしない。晴人と違って「教育」だの「躾け」だのを考えている智人は、そんな千彩の頬を少し強めに抓んでギュッと捩じった。
「いひゃ…っ」
「おいっ!何すんねん!」
「ちゃんと目ぇ見て返事せんか」
「…ごめんなさい」
「出来るんか?」
「出来る」
「よし。顔は?」
「洗った」
「ほな着替えてこい」
「はぁい」
毎日毎日同じことを…とボヤく智人は、完全に父親状態で。腕の中から千彩が抜け出して手持無沙汰になってしまった晴人は、そんな智人の頬をつい数十秒前に智人が千彩にしたように抓んで捩じった。

