そんな母の元に、パジャマにパーカーを羽織った不自然な格好をした千彩が、ゴシゴシと目を擦りながら姿を見せた。
「ママー、おはよー」
「おはよう、ちーちゃん。今日は晴人とお出かけするんやって?良かったね」
「うん。でもちさ、しんどい」
「あらあら。どっか痛い?」
「お腹痛い。つんつんする」
「ツンツン?」
千彩の不思議な表現に首を傾げる母は、右手に菜箸、左手にフライパンとまさしく手を離せない状況で。どうしようか…と思案していると、ちょうど悠真を叩きだか蹴りだかして起こしてきた智人が、眉間に皺を寄せながら扉を開いた。
「あっ、ちょうど良かった」
「何?」
「ちーちゃん、しんどいんやって。ちょっとみてあげてくれる?」
「おぉ」
忙しそうに朝食の準備に勤しむ母に頼まれ、心配そうに寄り添う晴人の視線を気にしながら、智人は千彩の額にピタリと掌をつけた。
「熱はないで」
「お腹が痛いんやって」
「腹?」
「つんつんする」
「は?ツンツンって何や」
「つんつん」
不思議な表現を繰り返しながらヘソ辺りでモゾモゾと手を動かす千彩を見て、智人はピンッと指先で額を弾いた。
「腹出して寝たからやろ」
「出してないもん」
「ほな、病院行きたくないんやろ」
「…違うもん」
不自然な間の取り方に、智人は予想の的中を確信した。そして、ふぅっと大きく息を吐く。
「ちゃんと行って薬減らしてもらってこい」
「先生いいって言う?」
「おぉ」
「ともとも行く?」
「晴人と行け言うたやろ」
首元に擦り寄ろうとする千彩の額を押して返し、智人はそのまま千彩の体を強引に晴人の腕の中へと預けた。
それに戸惑ったのは、言うまでもなく預けられた側の晴人で。どうしていいのかわからぬまま千彩を後ろから抱き、ピタリと頬をつけて優しい声音を紡いだ。
「ママー、おはよー」
「おはよう、ちーちゃん。今日は晴人とお出かけするんやって?良かったね」
「うん。でもちさ、しんどい」
「あらあら。どっか痛い?」
「お腹痛い。つんつんする」
「ツンツン?」
千彩の不思議な表現に首を傾げる母は、右手に菜箸、左手にフライパンとまさしく手を離せない状況で。どうしようか…と思案していると、ちょうど悠真を叩きだか蹴りだかして起こしてきた智人が、眉間に皺を寄せながら扉を開いた。
「あっ、ちょうど良かった」
「何?」
「ちーちゃん、しんどいんやって。ちょっとみてあげてくれる?」
「おぉ」
忙しそうに朝食の準備に勤しむ母に頼まれ、心配そうに寄り添う晴人の視線を気にしながら、智人は千彩の額にピタリと掌をつけた。
「熱はないで」
「お腹が痛いんやって」
「腹?」
「つんつんする」
「は?ツンツンって何や」
「つんつん」
不思議な表現を繰り返しながらヘソ辺りでモゾモゾと手を動かす千彩を見て、智人はピンッと指先で額を弾いた。
「腹出して寝たからやろ」
「出してないもん」
「ほな、病院行きたくないんやろ」
「…違うもん」
不自然な間の取り方に、智人は予想の的中を確信した。そして、ふぅっと大きく息を吐く。
「ちゃんと行って薬減らしてもらってこい」
「先生いいって言う?」
「おぉ」
「ともとも行く?」
「晴人と行け言うたやろ」
首元に擦り寄ろうとする千彩の額を押して返し、智人はそのまま千彩の体を強引に晴人の腕の中へと預けた。
それに戸惑ったのは、言うまでもなく預けられた側の晴人で。どうしていいのかわからぬまま千彩を後ろから抱き、ピタリと頬をつけて優しい声音を紡いだ。

