「ちぃは、今までとは違うんや。玲子ともマリとも違う」
「マリって…あのモデル、お兄の女やったんか」
「おぉ、せや。もう結構前に別れてるけどな」
「それ…千彩知ってんのか?」
「は?知っとるわけあらへん」
「やろうな」
無邪気に「マリちゃんみたいになりたい!」と言っていた千彩の笑顔を思い出し、智人は苦笑いで返すしか出来なかった。
「ちぃには驚かされてばっかやし、あたふたしっぱなしや」
「せやな。ごっつカッコ悪いで」
「やろうな。でも、ええんや。それでええと思ってる」
「何やそれ。矛盾やな」
呆れる智人に視線を戻し、晴人は柔らかに笑って見せた。
「俺にはもうあいつだけでええんや。ちぃのためなら何を犠牲にしてもかもへん。他にどう思われようが、あいつが一生傍におってくれるんなら他に何も要らん」
「うわ…キザやな、相変わらず」
「そうか?ギター弾いてる時のお前よりマシやろ」
「あれはファンサービスや。日常生活であんなことするか」
「ははっ。それもそうか」
ケラケラと声を上げて笑う晴人に釣られ、智人も笑い声を上げる。こうしてゆっくりと向き合えたのは何年ぶりだろう。と、憧れの存在だった兄が戻ってきたようで、智人は嬉しくて堪らなかった。
「大事にしたれよ、千彩のこと」
「当たり前やろ」
「泣いて戻って来ても、俺は引き受けんからな」
「あれ?お前ちぃのこと好きなんちゃうんか?」
「要らん言うとるやろ。俺はロリコンちゃうわ」
「俺かてロリコンちゃうわ」
「立派なロリコンやろが。そろそろ認めろって」
「いや。断じて認めん」
頑なに否定し続ける晴人と、認めろと押す智人。そんな兄弟の騒がしい声に目を覚ましたのは、ソファで寝ていた父だった。慌てて飛び起きた父は時計を見上げ、更に慌てて支度を済ませて家を出た。そのあまりの慌ただしさに、二人はピタリと言い合いを止め、そしてまた笑い合う。
「頼んだで、千彩のこと」
「任せとけ。婚約者やぞ、俺は」
そう言って胸を張った晴人が、何だかカッコ良く見えて。まるで妹を嫁に出す気分だ。と、何とも言えない不思議な気分で智人は苦笑いをした。
「マリって…あのモデル、お兄の女やったんか」
「おぉ、せや。もう結構前に別れてるけどな」
「それ…千彩知ってんのか?」
「は?知っとるわけあらへん」
「やろうな」
無邪気に「マリちゃんみたいになりたい!」と言っていた千彩の笑顔を思い出し、智人は苦笑いで返すしか出来なかった。
「ちぃには驚かされてばっかやし、あたふたしっぱなしや」
「せやな。ごっつカッコ悪いで」
「やろうな。でも、ええんや。それでええと思ってる」
「何やそれ。矛盾やな」
呆れる智人に視線を戻し、晴人は柔らかに笑って見せた。
「俺にはもうあいつだけでええんや。ちぃのためなら何を犠牲にしてもかもへん。他にどう思われようが、あいつが一生傍におってくれるんなら他に何も要らん」
「うわ…キザやな、相変わらず」
「そうか?ギター弾いてる時のお前よりマシやろ」
「あれはファンサービスや。日常生活であんなことするか」
「ははっ。それもそうか」
ケラケラと声を上げて笑う晴人に釣られ、智人も笑い声を上げる。こうしてゆっくりと向き合えたのは何年ぶりだろう。と、憧れの存在だった兄が戻ってきたようで、智人は嬉しくて堪らなかった。
「大事にしたれよ、千彩のこと」
「当たり前やろ」
「泣いて戻って来ても、俺は引き受けんからな」
「あれ?お前ちぃのこと好きなんちゃうんか?」
「要らん言うとるやろ。俺はロリコンちゃうわ」
「俺かてロリコンちゃうわ」
「立派なロリコンやろが。そろそろ認めろって」
「いや。断じて認めん」
頑なに否定し続ける晴人と、認めろと押す智人。そんな兄弟の騒がしい声に目を覚ましたのは、ソファで寝ていた父だった。慌てて飛び起きた父は時計を見上げ、更に慌てて支度を済ませて家を出た。そのあまりの慌ただしさに、二人はピタリと言い合いを止め、そしてまた笑い合う。
「頼んだで、千彩のこと」
「任せとけ。婚約者やぞ、俺は」
そう言って胸を張った晴人が、何だかカッコ良く見えて。まるで妹を嫁に出す気分だ。と、何とも言えない不思議な気分で智人は苦笑いをした。

