「浮気したんはあいつや。バイト先の奴や言うてたかな」
「は?玲子がそんなんするわけ…」
「珍しくはよ帰れてな、連絡入れんと玲子の家行ったんや。相鍵持ってたから入れたしな。そしたら、男がおった」
「嘘…やろ」
「その場で何も無い言うんやったら許そうと思ってたんや。寂しい思いさしてたんもわかってたし、それで終わってくれるんやったらそれでええって。でも、あいつは否定も言い訳もせんかった。ごめんって一言だけ言うて、暫くしたら黙っておらんようになってたわ」
これが事の経緯だ。と、晴人はふぅっと息を吐いた。
これだけが原因だとは言い難いけれど、これ以降晴人は女性とまともに向き合うことを止めた。色んな女と乗り換え自由で付き合い、女性関係についての悪評を褒め言葉だとさえ思っていた。
「俺が初めて付き合った女な、玲子やったんや」
「…は?」
「中三の時やったな。高校入るまでには別れてたから、恵介も知らんわ」
「そう…やったんや」
いつだってハッキリと思い出せた初めての恋人。ただ純粋に想い合えたはずの関係は、長くは続かなかった。
「あいつほら…ヤキモチ妬きやろ。せやからすぐ別れた」
「お兄モテたからな」
「やな。やり直したんは、専門卒業する前やった。東京行こうって恵介が言い出して、玲子を連れていく理由が必要やったから俺がやり直そう言うたんや」
「俺に…取られるから?」
「せや。お前には負けたくなかった。いつでもカッコイイ兄貴でおりたかったんや」
「はぁ…今となってはめっちゃカッコ悪いけどな」
千彩に振り回されている晴人を見ていると、とても「カッコイイ」とは言えない。それが正直なところで。
それをわかっているのか、晴人はバツがそうにくしゃくしゃと頭を掻き、苦笑いをした。
「は?玲子がそんなんするわけ…」
「珍しくはよ帰れてな、連絡入れんと玲子の家行ったんや。相鍵持ってたから入れたしな。そしたら、男がおった」
「嘘…やろ」
「その場で何も無い言うんやったら許そうと思ってたんや。寂しい思いさしてたんもわかってたし、それで終わってくれるんやったらそれでええって。でも、あいつは否定も言い訳もせんかった。ごめんって一言だけ言うて、暫くしたら黙っておらんようになってたわ」
これが事の経緯だ。と、晴人はふぅっと息を吐いた。
これだけが原因だとは言い難いけれど、これ以降晴人は女性とまともに向き合うことを止めた。色んな女と乗り換え自由で付き合い、女性関係についての悪評を褒め言葉だとさえ思っていた。
「俺が初めて付き合った女な、玲子やったんや」
「…は?」
「中三の時やったな。高校入るまでには別れてたから、恵介も知らんわ」
「そう…やったんや」
いつだってハッキリと思い出せた初めての恋人。ただ純粋に想い合えたはずの関係は、長くは続かなかった。
「あいつほら…ヤキモチ妬きやろ。せやからすぐ別れた」
「お兄モテたからな」
「やな。やり直したんは、専門卒業する前やった。東京行こうって恵介が言い出して、玲子を連れていく理由が必要やったから俺がやり直そう言うたんや」
「俺に…取られるから?」
「せや。お前には負けたくなかった。いつでもカッコイイ兄貴でおりたかったんや」
「はぁ…今となってはめっちゃカッコ悪いけどな」
千彩に振り回されている晴人を見ていると、とても「カッコイイ」とは言えない。それが正直なところで。
それをわかっているのか、晴人はバツがそうにくしゃくしゃと頭を掻き、苦笑いをした。

