「ちさもお友達欲しいな…」
しゅんとしょげてしまった千彩に、智人は笑顔で応え、反対に悠真は困り顔で応えた。
「俺が友達なったるわ」
「ともとが?でも、ともとはちさのおにーちゃんでしょ?」
「兄ちゃんやけど、友達や。だから何でも話せ」
にっこりと笑う智人は、やはり晴人によく似ていて。急に寂しさが襲って来た千彩は、グスリと鼻を啜った。
「ちさ、はるに会いたい」
「んー…晴人は今、仕事が忙しいみたいや」
「…そっか」
「俺がいっぱい遊んだる」
自分がそう持って行ったくせに…と、悠真が恨みがましい目で見つめるも、当の智人は素知らぬ顔をしてそれに答えることはなかった。
「仕事が落ち着いたら、また会いに来てくれるから。な?」
「…うん。いつ?」
「いつかなぁ…冬になるまでには」
「クリスマス?」
「もっとはよ来てくれるわ。心配要らん。はよ食ってまえ」
「うん」
期限が決まっていると、取り敢えず千彩は納得する。そして、約束を守ればぐずぐずと拗ねることはない。共に過ごしてきた数ヶ月の中で、それだけは智人にもよくわかっていた。
「メシ食ったら、プリン食ってええからな」
「ううん。プリンさっき食べたからいい」
「珍しい」
「はるが、食べ過ぎたらダメって言ってた」
そして、晴人の言い付けは絶対。やはり小学校低学年レベルの精神だ。と、改めて思う。
「ほな、それ食べて片付けしたら、どっか遊びに行くか」
「どこ行くん?」
「何かしたいことあるか?」
「うーん…映画見る」
「よし。ほな映画見に行こ」
「うん!」
初めて映画に連れて行った日は、あまりの大画面に驚いて目を丸くしていた。どうやらそれが気に入ったらしく、「どこに行く?」と尋ねれば必ず「映画」と答えるようになった。
見る映画は大概アニメなのだけれど、それでもチケット売り場でウキウキと選んでいる千彩を見ると、「俺、アクションかホラーがええんやけど」とは智人には到底言えなかった。
しゅんとしょげてしまった千彩に、智人は笑顔で応え、反対に悠真は困り顔で応えた。
「俺が友達なったるわ」
「ともとが?でも、ともとはちさのおにーちゃんでしょ?」
「兄ちゃんやけど、友達や。だから何でも話せ」
にっこりと笑う智人は、やはり晴人によく似ていて。急に寂しさが襲って来た千彩は、グスリと鼻を啜った。
「ちさ、はるに会いたい」
「んー…晴人は今、仕事が忙しいみたいや」
「…そっか」
「俺がいっぱい遊んだる」
自分がそう持って行ったくせに…と、悠真が恨みがましい目で見つめるも、当の智人は素知らぬ顔をしてそれに答えることはなかった。
「仕事が落ち着いたら、また会いに来てくれるから。な?」
「…うん。いつ?」
「いつかなぁ…冬になるまでには」
「クリスマス?」
「もっとはよ来てくれるわ。心配要らん。はよ食ってまえ」
「うん」
期限が決まっていると、取り敢えず千彩は納得する。そして、約束を守ればぐずぐずと拗ねることはない。共に過ごしてきた数ヶ月の中で、それだけは智人にもよくわかっていた。
「メシ食ったら、プリン食ってええからな」
「ううん。プリンさっき食べたからいい」
「珍しい」
「はるが、食べ過ぎたらダメって言ってた」
そして、晴人の言い付けは絶対。やはり小学校低学年レベルの精神だ。と、改めて思う。
「ほな、それ食べて片付けしたら、どっか遊びに行くか」
「どこ行くん?」
「何かしたいことあるか?」
「うーん…映画見る」
「よし。ほな映画見に行こ」
「うん!」
初めて映画に連れて行った日は、あまりの大画面に驚いて目を丸くしていた。どうやらそれが気に入ったらしく、「どこに行く?」と尋ねれば必ず「映画」と答えるようになった。
見る映画は大概アニメなのだけれど、それでもチケット売り場でウキウキと選んでいる千彩を見ると、「俺、アクションかホラーがええんやけど」とは智人には到底言えなかった。

