何も見えなくなるような、闇。 それは、いつかの暗い過去の事象をすべて体現するかのようで。 押しつぶされそうなほどの不安と空虚を抱えて立つは、一人の青年。 闇夜に紛れ、二本の足を地に着けていた。 昼間は子供らの青い声で溢れるここも、今は静寂が支配し、混濁の色が浮かぶ。 灰色に光るブランコだけが、風に煽られ小さな声を上げていた。 灰色ブランコ -A GRAY SWING-