世界をあげる


バス停のベンチにちょこんと座る美姫さん。

俺の顔を見て苦笑い。

「…ここバスの本数少ないんですけど。」

「…そうですね。タクシーも通りませんし。」

「…ごめんなさい。」

美姫さんは俯いてしまった。

「何を謝っているんですか?勝手に出て行ったことですか?」

「それもですけど…あなたたちの大切なものを盗んでしまいました。」

「え?」

美姫さんの手には一冊の本と紙が入ったファイルがあった。

暗くて何なのかはわからない。

「…とりあえず帰りましょうか。」

「…はい。」