「へぇー川合君もリレーなんですか?」


聞き覚えのある……嫌な声。

振り返ると、嫌の声の主・柏原が、リレーのはちまきをして並んで居た。


「……柏原もリレー?」

「そうですよ」


へぇ~。そうなんだ。


「何番?」

「4番ですけど?」


ほーう。同じか。



何だか……負けたくない。
柏原だけには、負けたくない。って思った。

でも、初めに走る奴の順番次第なんだけどさ?


そのまま、2年が走ってる方に目をやり黙った。
少し顔を傾げた柏原が目に入ったけど……。


“負けたくない”そんな気持ちを悟られたくなかったんだ。




―パンッ


火薬の匂いがしたと同時に走り出した1番走者。
勢い良く飛び出しただけあって1位で戻って来た。

バトンを渡して2番目の奴。


柏原のチームと、1位2位争いが続いてる。