そのまま、生徒会長室を飛び出し、廊下で立ち止まった。


皆の前でも……だよね?



はぁぁぁぁぁ……。

初めから呼べば良かったよ。



絶対、皆に冷やかされるよ。

今更、“壱”だなんて。



てか、何で私が生徒会長……壱に振り回されなきゃ駄目なのよっ!


私の周りキャラ変わる人多すぎない???

陽呂……は、私の前で素になんてなってくれないけどさ?


壱……本気で、私の事……陽呂から奪うつもり?

そんなの簡単過ぎるよ?壱。



奪わなくても、少しの力で、陽呂は、私なんて手放すんだから……。

今は、ただ……この傷跡の為にだけ……。


痛くもない胸の傷跡が“チクリ”と痛んだ気がした。