――ガチャ…





開いたドアの先には……。

少し頬を赤く染め、濡れた髪を拭きながら、開けたドアを閉める姿。


ベットにもたれて、座ってた俺の背筋が伸びる。


「あがったよ……あ、何のテレビ…観てたの?」


石鹸のいい香りに包まれた心菜が横に座り、緊張しているのか……俺にも伝わってくる。


「え? テレビ……?」


何観てたかなんて言われても……観てなかったし。


横に居る心菜と、さりげなく距離を開けた。

いや……ほら、近過ぎっつーの?



そんな俺に気付いたのか


「陽呂……お風呂っ、お風呂は?」

「え……? 入りましたけど?」