「心菜さーん、いい加減起きてくれませんか?」

「……ぅ……ん」



はぁー……。

これは、わざとか?



乱れたパジャマから見える白い柔らかい肌。

少し癖がついたシャンプーの香りが漂う髪。

小さな唇から漏れる吐息。





って!
俺は、何ちゅう発想をををっ!


原因は……あれだな。

うん、絶対あれだ……。

あれしかないっ!




“スキー旅行”



だってさ?


心菜から、誘って来た? んだぞ!
そんなの……さすがに焦るってーのっ!


俺にも、心の準備が必要だって。


そりゃ?

本能で動く生き物だし?
やろうと思えば……出来るよ?!



でもっ!



俺だって緊張とかするし。
てか、心菜が震えてたのに……手出せなかった。



なんてっ!



口が裂けても言えるかっちゅうの。
俺も震えた……なんて言えるわけがねーーー!