【完】プリンセス

私のそばに来てた陽呂が、電話の方へと遠のく。
そして出た電話は……。


「あ、奈津美さん?」


また?
またなの?


「あ、はい。勿論ですよ」


楽しそうな陽呂の声。

聞きたくない……。
そんな人との会話の声……聞きたくない。


お布団の中で耳を塞ぐのに聞こえる声。

どうして?
どうして……楽しそうに会話するの?


「はい、じゃあ、後で」


何が後でなの?

発散……するの?
あの人とするの?



「心菜さん……?
奈津美さんが久しぶりだから話でもしようって……」

「勝手にすれば?」

「いや、じゃなくて、心菜さんもですよ?」


また嫌味言われるんだよ?

陽呂とイチャイチャするの見せ付ける気なんだよ?
陽呂、気付いてないの?

私、あの人、嫌いなのっ!


「私はいいわ」

「え? 久しぶりなのに?」


勝手にすればいいじゃない。


「会いたいのは陽呂だけでしょ?
わたしなんてオマケだし」

「……はぁー心菜、どーしたの?
さっきから変だって」