教室掃除をして、ゴミを捨てに行った帰りに今日の事を思い出してた。


陽呂は……。

私の本当の気持ちに真正面から向き合ってくれるかな?



そんな事を考えてたら、前に人が居たなんて気付かなかった。


―ドンッ


「いったーッ」

「あ~ら、ごめんなさぁい、見えなかったぁー」


ぶつかったと同時に打ったお尻を擦りながら立ち上がった私に、聞こえてきた耳障りな声。

猫バカ女っ?!



やっぱり!


「いいえー気にしてませんからー。目も悪いんですねー」


フンッ。

今、気分も悪いし、猫バカ女だし。


言ってやった♪


「はぁ? 目もって何よ? 目もって!」


気に入らなかったのかヒステリックな声を荒げる。

さっきまでの陽呂に話してた口調とは、全くの別人だった。


「さぁー?」

「ちょっと顔がいいからって、私の顔がブスだとでも言いたいの???」

「私、貴女の顔の事なんて一言も言ってないけどー? 自意識過剰なんじゃなぁい?」

「何よ!」


イライラがピークだったのか、私の口は止まらなかった。



こりゃ来るな。

ふん、お嬢様だってナメてんじゃないわよ?

空手だって、合気道だって出来るんだからねー!


そう思って構えた瞬間、


「女の子がケンカですか? 駄目ですよ?」


猫バカ女が、私を殴ろうとしてた手を押さえる一人の男。





誰だ? コイツ???


爽やかで、いかにもモテる生徒会長みたいな奴。


「生徒会長~~~」


猫バカ女が、すぐ答えをくれた。

てか、生徒会長なんかいっ!



そのままかよ!