「心菜さんは、俺にとって特別な人だから無理。」

「えー特別って何???」

「それは、言えない。」

「ねー付き合ってよぉー」

「だーかーらー婚約したから。」


ダルそうに答える陽呂に、猫女の攻撃。

猫女の手を軽く払いながら言い放った。


《陽呂君ナイス! 毎回かっこいいねー♪》


やっぱり横で大喜びな愛未。


だから……何で愛未が喜ぶの?!


《んと、猫バカ女なんか、キエロッ!》


多分、私と愛未が仲いいのは、この愛未のギャップだな。

再確認をしてしまう。


愛未は、可愛い顔をして……こんなハードな一面を持ってる。


《ん? 何笑ってんの? 心ちゃん???》


私が笑って納得してるのに気付き、キョトンとした表情を見せた。


《え? 愛未、今日も口の悪さ絶好調だよね》

《それは、お互い様でしょー???》


少し拗ねて言う。

本当、黙ってたら可愛いのになー。と笑いながら見てたら、


《あれー??? 陽呂君居なくなっちゃった?!》


愛未の声に、さっきまで居た場所に目をやると、もう陽呂は居なかった。





はずなのに……。


頭の上から聞こえた声。