「心ちゃん」

「あ……壱、すぐ行く!」


昼休み。
俺が作った弁当を、まだ食べ終わってないのに、そそくさと蓋を閉め、柏原と去って行く心菜。



最近、毎日コレ。



何だよ……。
こんな残すんじゃ、学食でいいじゃん。と思いながら2人の並ぶ背中を見送る。


生徒会の用事とか言ってるけどさ?

休み時間もだし、昼休みもだし、放課後もだよ?



多くね?



文化祭や体育祭の前でもこんな忙しくなかったくせにさ。





絶対何かある。
そう確信した。



でも、どーして確認するか……コレが問題だ。


愛未さんは、心菜に筒抜けだろ?
林……も怪しい。


おっ!
沙耶が居るじゃん♪





まだ中身の残る弁当を2つ袋に入れて、沙耶のクラスに向かった。


「沙耶ー」

「あ……陽呂君」


一斉に振り返る生徒に、後ずさりをしてしまった。

……また注目されてる?
さすがに後輩のクラスでは、ヤバかった?


「ごめん……沙耶、何か注目された」

「いいよー、私は大丈夫なの」


大丈夫……って、沙耶は何者だ?
ヤ○キーなのか?!

俺の顔を、怪しげな顔で覗き込んだ。


「今、変な想像しなかった?」

「へ? 別にぃー」