「……する」
珍しいっ!
心菜が俺とするなんて素直に言ってるし。
明日は雪か? 台風か?!
「だって……悔しいもん。陽呂、料理できるなんて」
ぶっ! 何じゃそれ?!
負けず嫌いが出ただけなんかよ?
あまりに小さくなる心菜が可哀想で、ちょっとからかって、いつもみたいに元気に怒らしてやろうって思った。
「実は、俺に食べさしたかっただけじゃないんですか~? なーんて……って、えぇ?!」
そう思っただけだったのに、心菜の意外な反応に驚いてしまった。
真っ赤になって下を向く心菜。
え?
え?
え?
まじで?!
うわっ!
俺まで赤くなるって!
「だって……だって……陽呂、朝から完璧だし。
私、料理も出来ないし……それなのに、婚約してて……結婚してもいい奥さんなれないし。
それに結婚する前に……しなきゃ愛想つかされて」
話しながら泣き出した。
……これ誰?
この駄々っ子みたいなの誰?
俺は、目の前で可愛く……愛しい泣き顔を少しの間見つめる事しか出来なかった。

