拗ねる心菜を座らして、キッチンに戻った俺は、片付けながら、そのへんの残りで適当に付け合せを作った。
「はい、どうぞ」
「これ……私の」
「作ったハンバーグですよ? 煮込みにしてみました♪」
にっこり笑う俺に驚く心菜。
確かに心菜の作ったハンバーグは、こげてたけど……味付けは上手かった。
箸を運びながら思い出した。
「確か、心菜さん……料理習ってましたよね?」
そうだ。
料理教室習ってたはずだろ?
ハンバーグくらい……簡単なんじゃ?
失敗しただけか?
「……調理師に、全部用意さして、言われた通りに作っただけだもん」
……そりゃ、上達しねーわ。
どうせまた、無茶苦茶な事言って困らせてたんだろうな。
想像すると笑えた。
「野菜なんて切るだけだと思ってたし、分量なんて本見れば分かるって思ってた」
「料理は慣れですよ?」
「みたいね……」
珍しくシュンってなってる心菜を見て、ハンバーグを頬張りながら、可愛いって思ってしまった。
「何でまた、料理なんてしようって思ったんですか? もし、覚えたいなら明日から一緒にします?」

