服を引っ張られながら、俺はキッチンを目指す。
阻止する心菜。


やっと辿り着いたキッチンで、
フライパンの蓋を開けて止まる俺達……。



ハンバーグ……ですか?



真っ黒になりかけの長細い物体が2つ。
開けると同時に少し焦げ臭い。



こげたハンバーグを見た俺は、分かったぞっ!
心菜……料理出来ないな?


でも……何で出来ねーのに無理するかな?

作ってみたかったのか?



いや、いつもなら、『陽呂、やって』って言うしな。

作ってみたかったなんて有り得ねぇ。





てかっ!

ハンバーグしか作ってねーのに、何でこんな汚いんだ?
しかも、時間かかり過ぎだろ?!


「これ、ハンバーグですよね?」

「もう……いいの。食べに行くわよ!」

「え?何で?」

「そんなまずそうな物、食べたくないっ」


おいおい、自分で作ったもんだろ?