「どう言う意味?」


全く理解の出来ない俺に『またまた~』って言いながら林は続けた。


「心ちゃんと、お前の婚約は親が決めた事って皆知ってるんだよ?
だから、お前は護衛だから仕方なくって事になってるの……知らなかった?」


知らないも何も。
何で、親が決めた婚約とか知ってんだよっ!


しかも、俺は護衛だから仕方なく……じゃねーし。

今は……。



誰だよ、んな噂流したバカは?!


「……って聞いてる?」

「あぁ?」


……まだ話してたのかよ、林?

目の前に手をちらつかせ話しかける林をウザく思った。


「だから、女子の皆さんは必死みたいだよ?
卒業するまでに川合を落とすってさー」


また驚いた。
林と居ると『はぁ?』が多くなる。


「は?」

「卒業するまでに落とせば婚約なしじゃん?」


何で、籍入れる時期まで知ってんだよ?!