【完】プリンセス



エレベーターを一番上まで上がり、開いた先に見えた、たった1つのドア。

さっき貰った鍵がピッタリとはまる。



――ガチャ…



鍵を開ける音が耳につく。

普段、家に帰れば誰か居るからなぁ……。



隣には、困った顔の陽呂。

そりゃ、嫌よね?

毎回、巻き込んで本当に悪いわ……。

今回ばかりは、かなり反省だわよ?



靴を脱ぎ、入ったらいきなりある大きなリビング。
そして、左右に分かれたベッドルームが2つ。



リビングには、いつ用意したのか、私と陽呂の荷物が運ばれてた。


手回し早すぎだろ?!


まだ、付き合った事すら実感出来てないんだよ?

それなのに、いきなり同棲だなんて……。


しかも、何で、こんな急展開なのよっ?!





陽呂だって嫌に決まってる!

今ならまだ……間に合うかも……。



って?!



「何、鼻歌うたいながら荷物ほどいてんのよ?」