「はぁ~~~~~?」
嫌な予感的中。
「それ本気なの? ママ?」
無邪気な笑顔で話すママ……あんた何歳だよ?!
なんて、私の心の突っ込みを口に出す事すら出来なかった。
その横で、ママに言い包められたはずのパパ。
目の前には、お好きにして下さいね♪って感じの陽呂の両親。
そばに立って、もう驚きませんって顔の陽呂。
派手なシャンデリアがチカチカするリビングで、クラクラする私。
「だってねぇ~? 今年いっぱい出張になりそうなのよね」
「だったら、別にいつも通りでいいじゃないっ!」
「だって、心菜ちゃん、習い事としてしてるけど、本番はした事ないでしょ?
結婚してから失敗して陽呂に逃げられる前に練習も大事だと思うのよね?」
何をこのババア、だらだら話してんじゃいっ!
「そんな事は……しませんよ?」
なんて弱気に苦笑いして言ったって無駄よ、陽呂!
もっとガツンって言わなきゃっ!
「美鶴から聞いたけど、あんまり進展ないみたいだしね?
これは、チャンスよ、心菜ちゃん♪」
みーつーるーぅぅぅ?!
余計な事を言ったであろう美鶴。
後で覚えとけよ?!
「ね? だから、はい♪ 鍵2つ」
同じ形の鍵を渡された私達。
家から歩いて3分の、江田家所有のマンション。
「頑張って、お料理もお掃除もお洗濯もするのよ?」
凄く楽しそうな笑顔を零すママの勝手で決まった。
本日より、(無理矢理)同棲がスタートする様です。

