【完】プリンセス

「え? 何?」


手を繋いで少し後を歩く心菜を振り返って見つめる俺。


「やっぱ、ちゃんとくっついて?」

「えぇ?!」


繋ぐ手に力が入るのがわかった。


「俺、腕の方がいい」


多分、真っ赤なんだろうけど気にしない。

力の入った心菜の手がゆっくり離れ、俺の腕に手が回った。


うん、こっちの方がいいな。


「……恥ずかしい」


ポツリと呟いた。


「そうか? なら……」


顔を傾け、心菜の頬の位置辺りに高さを合わせた。




―チュッ




頬に軽くキスしてみたんだ。


さっきの……半べそが、あまりにも可愛くて。
心菜の意外な一面が、すげー愛しくて。



腕からまた、手が擦り抜けた。

頬を押さえて、デカイ目がもっとデカくなる。