部屋に戻るまでも……部屋に戻ってからも……。


俺の頭の中に残る、あの表情。



何だ?あれ……。



頬を赤く染め、涙で潤んだ瞳。

いつから……あんな表情する様になったんだ?



何て顔してんだよ。



可愛いとか、思った俺は……大丈夫か?



心菜だぞ???

あの、偉そうで口が悪くて……生意気な心菜だぞ?



ありえねーしっ!



はぁー……。

でもマジびびったぁーーー。



だから……俺の心臓は落ち着かないんだよな?

あんな顔……初めて見たからだよな?


何度も自分に言い聞かせる様に胸を擦った。





ただ……。





この時、俺達の未来なんて俺には、知る由もなく。

この先、どうなるかなんてわかる訳もなかった。