「え、春瀬君・・・!?」


「・・・」
「傘、無ーの?」


「あ、うん・・・」
「図書館で勉強してて、その帰りなんだ」


「・・・」


「それでこの始末だよー・・・」



高森は少し苦笑いでこっちを向く。


「俺の家すぐそこだから傘やるよ」


「え・・・ッ!?」
「悪いよそんなの!」


傘を差し出す俺の手を高森は意地でも押し返す。



「いいんだよ」
「素直に受け取れ・・・!」



俺は傘を高森の胸に押し付けて帰って行った。