高森を取り囲む女子達は
目を丸くしてこっちを見てる。


「はぁ!?アンタ誰よ!」


俺に向かって一人の女が言ってきた。


「ちょ、ちょっとやめなよ・・・!」

そこに違う女が止めに掛かる


「え・・・?」

「コイツあの春瀬公望って奴だよ!?」

「嘘・・・ッ」
「行こう・・・!!」


こそこそと話していたが
こっちには丸聞こえだった。


でもとりあえず高森に集る
女子達は逃げていった。



「あ、あの・・・」

「・・・」

「ありがとう・・・」


高森は俺に礼を言った。

でも俺は一度、振り返った顔を
何も言わず元に戻す。


そして、歩き出した。


だが、後ろで俺より少し小さめの
足音が追いかけて来る。



足を止めて後ろを振り返ると、
そこには高森が居た。


「付いて来るな・・・」

「え、でも・・・」



高森が何かを言いたそうにしていたが、
俺は無視してまた歩き出す。