「お、お茶淹れるね」 無理矢理離して、台所に行った。 十分後。 「お待たせ」 震える手で、お茶を俊の前に置いた。 「どうした?何かあった?」 と、私の顔を覗きながら聞いてくる。 「何もないよ」 出そうな涙を堪えて、作り笑いで笑った。 泣きたくなってきた。 「何もないわけないだろう」 と言って、私を抱き寄せる。