その日の放課後……。
いつもなら、一番に教室を出て行くはずの上原が…
なかなか席を立たなかった。
退屈そうに足をブラブラさせて、
ぼうっと時計を見ては…
大欠伸。
「………お前…部活は?」
帰り仕度をしながら、つい気になって……
声を掛ける。
「……ん?」
上原は目だけをこっちに向ける。
しまった……。
さっき言い争ったばかりなのに。
「今日委員会の顔合わせなんだって。誰かさんのおかげで…待ちぼうけ。」
「あっそう。」
余計な声掛けしたか…。
「中道は帰るの?」
「……うん。」
「………。アンタ日直でしょ?日誌は?」
「………。あ。忘れてた。」
「そんなことだと思った。私…、学級委員だからって先生から預けられたんだよねー、日誌。」
「………。」
「適当すぎるっしょ。後ろの席から監視させていただきました。」
上原はそう言って…、俺にソレを手渡してきた。
「任務完了。じゃ、委員会行くね。」
………。
待てよ?まさかコイツ、俺の様子見る為に……
だからまだ…残ってた?
「委員会て本当は何時からだった?」
「…ん?…もう始まってるかな。」
「えっ。てか、そんなの早く言ってくれれば良かったじゃん。」
「……。自己紹介とか苦手だし、本当は委員会サボろうかと思ってたくらいだから。」
「……それは…できないんじゃないの?落合言ってたし。上原は真面目だって。」
すると…どうだろう。
彼女は少しだけ顔を赤らめて…。
「りっちゃんのおしゃべり。」
下を向いて、ぽつりと…呟いた。
「……。…サボれないじゃん。曲がりなりにも、推薦された立場だしね。……じゃ…バイバイ、中道。」
「……うん。じゃあ。」


