As Time Goes By ~僕等のかえりみち~







「…あ!そうだ。すっかり言い忘れてたけど……」



奴は眉間にシワを寄せて、俺の顔を覗き込む。



身長差があるから…自然とそれが上目遣い。




「…………?」




あれ?この感じ…、どこかで……。





「この前のHRの時…、私の睡眠を妨害したのって中道くんだって?りっちゃんに聞いた。」




「………。」



落合め……。
自分のことは棚に上げて、人のことは言っちゃううのかよ。




「………。寝てる方が悪い。」



「……!そうだけど……。起こし方ってものがあるじゃん?」



「まだ食い下がるか。しつけーな。」




「……は?」




……しまった。
つい本音がポロリと…。




「………。しかも!学級委員になるように仕向けたとか……?」




「…それは『りっちゃん』だから。」



「りっちゃんはいいの!アンタのひと声は…絶大なんだって自覚がないっ。」



「……はあ…?!」




「…まあ、別にいいけどね。ちょっと言ってやりたかっただけだから。あ~スッキリした。」




一人でまくし立てて、自己解決して……。



なら、言わなきゃいいのに……。





なんだ、この勝手な生物は。




「……アンタ…、変。」




「え?」




またもや…、うっかり。







ついには上原も鋭い目付きで俺を見て……



怒りをあらわにする。





忙しい奴だ。
クルクルと表情を変えて……。