「………げ。」
彼女は顔をしかめて、色気ないひと言を放った。
「……。毎日あれだけ寝てるんだから…、上原、引き受けるよなあ?」
担任がにこにことしながら、更なる追い打ちを掛けた。
(気づいてるなら起こせよ。)
上原は……、ほんの少し、首を横にして。
「いいですけど…、何で私?」
…あっさりと快諾。
「……。え。アンタそれでいいの?」
「や、いつまでも決まらないのもアレだし。…大丈夫。」
「まあ、いいならいいだろうけど……。」
余りにも意外な展開。
ものすごく今更な話だけれど、
俺がこの時彼女に抱いた第一印象は…、
「潔い女」。
「……で、今何の時間?」
呑気にも大きな欠伸をする姿は…まさに、色気なし。
見た目とは裏腹。
ギャップだらけのこの女に振り回されることになろうとは……、
まだ、
思いもしなかった。


