「……上原~。そういうことで、引き受けてくれるか~?」
「……………。」
とうとう担任の目が…、彼女へと向けられる。
反応……なし。
これは…見物だ。
まだ得体の知れないこの女…、「上原 柚」の素顔を見るチャンス。
俺は後ろへと振り向くと、彼女が頬杖つくその机の両端を掴んで……
「ガタン!」
と一瞬……大きく揺らす。
「…………??!!」
一瞬にして彼女は目を覚まし……、
それを見逃すまい、とじっと見ていた俺と…
バッチリ目が合う。
大きな瞳。長い睫毛……。
ドすっぴんだけれど、割と整った………
どこかで見た顔。
「………何?」
ただ純粋に、見つめていた理由を問いたのであろう。
けれど、何の疑いもなく見つめ返されると……
流石に心証悪い。
「……学級委員。寝てる間にアンタに決まったみたいだけど。」
さあ……、どう出る?


