HRの内容は、学級委員の選出。
議事をとる担任と目を合わせる者はおらず……
だんまりが始まる。
『推薦』と声が上がった瞬間に…
みんなここぞとばかりに手を挙げた。
すると…、
あっと言う間に事は運び、名前を挙げられた人の良さそうな『丸井』って奴が…その見た目通りに断ることができず、男子の委員に決定した。
一方の女子は…遠慮しているのか、誰ひとり口を開こうとはしなかった。
痺れを切らした担任が、「後で投票でもするか?」と、案を出す。
すると………
「あの。上原さんがいいと思います!中学ん時もしてたし。」
高々と手を挙げて発言したのは……
落合 律。
そして、その名を呼ばれた相手…
上原 柚は………。
俺の左斜め後ろの席で、それはそれは幸せそうに
……寝ていた。
女子が拍手し始める。
落合は……ドヤ顔。
寝ていることをいいことに……その案に、皆便乗した様子。
そして俺も……、ちゃっかり手を叩く。
自業自得。
今まで上手くすり抜けてきた罰だ。
日頃の鬱憤を晴らすかのようにして、
「いーんじゃね、決定で。」
俺はトドメのひと言……。


