「中道~、お前何で野球部に入んないんだよ。」 ……これで、何度目だろう。 「もう青春を謳歌したからいーんだよ。」 何度聞かれても、今じゃすっかり同じ声のトーンで、同じテンションで答えることができる。 物事を上手く流せるのは俺のいい所でもあり……、 「……勿体ねえな!」 『勿体ない』と言うよりは、『不甲斐無い』所である。 聞いてきた相手、能戸は… ぶつくさ言いながら、 「じゃ。」と軽く挨拶して…グラウンドへと向かって行った。