社会人3年目へと突入。




私はトップアシスタントして…今度はスタイリストを目指し、美容師の世界で…生きている。







東京の地はすっかり肌に馴染んで……。




今や、郷愁の想いなども薄れて……。





日々、仕事へと……





明け暮れるばかり。









「柚ちゃん、たまには有休を消化しなさいよ。」




休憩室でカップ麺をすすりながら…、トップスタイリストの久藤さんが怪訝な顔付きで…私を見る。





「いいです。それより、技術を向上させないと。」




「そりゃあ結構だけどさ。毎日毎晩遅くまで残って?いくら勉強に励んでも……スタイリストになるにはウチじゃ相当かかるよ。なんせ居心地良くて誰も辞めないし。寧ろフレッシュな顔がそろそろ見たいのに……。」



「……すみません、私もそのうちの一人なので…ゆっくり精進します。」




「……の、割には…焦って見えるけど?」




「………。はい。ライバルがいつも先に行ってて…、負けたくないんですよ。」



「ふーん?…あ、もう予約の方来るわ。あーあ、ラーメンのびちゃう。柚ちゃんも…ヘルプよろしく。」




「はいっ。」